Dr. Randolph Stone’s Polarity Therapy : The Complete Collected Worksを読む(第4回)

Polarity Therapy : The Complete Collected Works

はじめに(1)

多くの医師が、より良い治療結果を得るため新しい技術を熱心に求めていることは明らかである。しかし皆さんもご存知のように、たくさんの道具があっても良い機械工になれるわけではない。真の芸術家は一本の筆で奇跡を起こす。熟練した職人は自らの問題を理解し、すべては自らにとってスムーズに流れていく。そしてわずかな努力で素晴らしい結果を出す。自らの問題の「どのような方法で」や「どのような理由で」を知らない人は、汗水流して働いても、たとえ道具がたくさんあって準備が入念でも成功しない。バイオリンの達人は、単に弓で弦を引く動きだけでは成し得ない音質を生み出す。

 技術は理解することにある。人間の内側にある重力の線は、その人のエネルギーのパターンである。これらは外側にある重力と同じくらい明確なものだ。このことを意識して成功するか、あるいはどれだけ努力を試みてもこのことを無視するかのどちらかだ。だから、人を治療しようとする前に人間を理解することが不可欠である。人類は創造物の頂点であり、宇宙で最もミステリアスな難問だ。だからこそ私たちはこの生命のある存在と形を構成する成分と力のすべてを学ぶことが非常に重要なのである。これこそが、このコースの前半部分で、私たちが人類創造の基礎の最も根底を掘り下げていく理由である。

 元々、私は実践的な経験をもとにした「会陰部のテクニック」のコースを開くことから始めた。なぜそれがその時々でこれほど効果的に働くのか、どのような原理に基づいて働くのかについては疑問が残った。さらなる研究を進め、真夜中のオイルを灯し、私はついにその答えを見つけたのであるが、その根源は生命そのものと同じくらい奥深い所にあった。これらの原理は、実際に得られた結果を説明できる共通点を探し求めることによって到達したものである。

 会陰部のテクニックを適確に理解するためには、まず「交感神経系」のミステリアスな働きを理解する必要がある。交感神経系は人と自然との関係に基づいているため植物神経系とも呼ばれている。この神秘は古代の医師の紋章であるカドゥケウスによって象徴され今日でさえ使われている。しかしその意味は忘れ去られている。プシュケーまたは魂は、カドゥケウスの翼の中にある一つの活動原理であり、「マインドのエネルギー」として、直立した軸を通して機能しており、重要な要素である。「マインド」と「プラーナ」は、一本の川として生命力を構成している。エネルギーの4つの川は、そこから流れ出て、4つの体腔とその器官に供給している。

 心理的機能と、身体や自然の中で働く力の線とパターンとの相互関係は、マインドと感覚を通じて行われる。活動中に作用しているこの実際のエネルギーフィールドの基礎から、私たちは人間の身体の中で作用している原理を導き出して、この会陰部のテクニックと他のテクニックで使っていく。これは確かな身体の極性機能と力線を矯正するための療法を決めるための基礎となるものである。引力と斥力は作用の2つの反対極である。これらは機能を効率的に使う中での目的と有用性として「ニュートラル(中性)」極に溶け込まなければならない。この回路の終わりはバランスであり、運動の目的と「生命」の表現の完成である。これが三位一体の作用におけるポラリティ(極性)である。

 パート2は「マインド」「プラーナ」「3つの神経系」「四大元素とその転換」に関するものである。ここでは「脳脊髄系」「副交感神経系」「交感神経系」を渡って流れる「マインド」「エネルギー」「プラーナ」の原理の実践的な応用を扱う。すなわち、どのように同じエネルギーが、分化されたエネルギーフィールドとして肉体のそれぞれの体腔の中でその機能を変えて異なる要素として作用するか、また、この流れに影響を与え、エネルギーフィールドとその極性をバランスするためには身体のどこに触れることができるだろうか、また、どのようにして古代人たちが、効果的であると証明された自然療法の方針を決めるための基礎として「プラーナ」と「マインドエネルギー」の原理を利用したか、そして、これらの自然の原理を理解することによって、ヒーリングの技術がいかに容易になるだろうかを扱う。

 パート3は「テクニックの応用」で構成される。ここでは実際に、実践的な手技について、上記の知見に基づいて身体における力線について言及し、身体の構造と機能、その起源、維持、バランス、ポラリティ(極性)に関して説明する。

 コース全体は、粗大な物質に基づいているのではなく、新しいエネルギー概念に基づいている。より微細なエネルギー、力線、パターンが、この「宇宙」全体と個人としての「人類」、すなわち「大宇宙」と「小宇宙」を支配している。これらは物質と形の結晶化を促進する原始的な原因である。これは生命、つまりすべての物質的存在の基礎となる核(魂)または中心と、回転している電子またはマインドエネルギーとして、活気ある、渦巻く、原子的なエネルギーフィールドに基づく概念である。

 この生命の主題を、技術的で実践的な知識として教えるのは非常に難しいということを、私は十分に理解している。なぜなら、これらの線に沿って私たちは考えたことがなく、これを基にしたり、これと比較したりする背景をほとんど持っていないからだ。事実、発見、思考を分類し、部門化するという厳重なルールによって、これは私たちの「魂」の内側の聖域へとつながる、私たちの思考能力の新しい部屋への扉を開くようなものだ。私たちは、特にヒーリングや治療の技術において、自分自身を肉体としてのみ考えることに慣れてしまっている。現代の治療法のほぼすべては、その限りない多様性の応用は、化学と力学に基づいている。身体の電磁的な作用でさえ、ほとんど注目されてこなかった。純粋なエネルギーフィールドと、人間の身体におけるその微細な作用の原子的発見は、まだ治療学の地平に現れていないのである。

 「エネルギー」が、生命のプロセスの一つの基礎となる要素であり、それを治療に応用することは、損傷や歪みに対する手技と矯正の実践において新しいアイデアであった。ワイヤレスエネルギーが健康のための均等な潮流の流れの基礎であり、そのアンバランスな配分が病気の原因であると考えることは、単純な機械的で化学的な概念が現代の主流の理論であるために、驚くべき啓示である。

はじめに(2)に続く

協会名日本ポラリティセラピーサポート協会|Japan Polarity Therapy Foundation
住所〒657-0011 兵庫県神戸市灘区鶴甲5丁目1−50 プラザ翠光205
電話番号080-3762-4042
営業時間9:00~18:00
代表者名早志享子(はやしきょうこ)
メールアドレスpolarityschoolofjapan@gmail.com