ドイツに暮らす素敵なポラリティセラピスト宮園さや子さんからの便り

自然と共に暮らす

ベルリンでの朝はまずクナイプケアから始まる。まだ朝露の残る芝生の上に裸足で降り立つ
のは何ともいえない気持ちよさ。じーっと立っていると大地のあたたかさがじわじわと感じ
られる。太陽の当たっているところ、ふわふわの苔がはえているところ、木の陰や葉っぱの
上、たまにはナメクジさんを踏んでしまってぬるっとびっくりいろんな感触が全身に伝わっ
てくる。庭の木や果樹、野菜、お花、池の様子を観ながら、日々移り行く季節を感じられる
大好きな時間。


この場所に住むようになって、自然と日々かかわる中で私の中の世界がどんどん広がってい
くのを感じる。まるでクラニオのアンワインディングの中でいろんなものがほどけていくよ
うに。
ここは義父の祖父が残してくれた土地で、元々は自家用の果樹園だったそう。そこに今では
2件の家が建ち義両親と私たち夫婦がそれぞれに住んでいる。庭にはプルーンやさくらんぼ、
カシス、マルメロなどの果樹や花木、草花が植えられており、私たちが6年前に越して来て
から芝生の一角を剥いで作った菜園もあって、日々の手入れ、収穫、剪定、コンポスト作り
など一年中やることがいっぱい。
おまけにベルリンは砂地で冬も長く、夏でも夜は気温が低かったり、私の育った南の島での
ようにやってみてもぜんぜんよくできない。最初のうちは買ってきた土に有機肥料をまぜて
なんとか1シーズンは育つけどすぐに土に力がなくなっての繰り返し。土さんとにらめっこ
の毎日が続き、そんな水捌けの良過ぎる土地に嫌気が差していたとき、ポラリティのクラス
で何度も聴いた言葉が降りてきた。“ 尊重 „ します。そう、その方の人生をまるごと尊重し
てあげるように。


土さんにありがとうと感謝し、その日から買ってきた肥料は入れることなく、庭の落ち葉や
剪定枝、畑の残渣のコンポストでできた土だけを畑に入れるようにした。昔からそこに住ん
でいる微生物たちを信じて。そうやって今 2 年が経ち 3 年目、硬くてスコップで掘るのも大
変だった土が今では手でも掘れるくらいふかふかになってきている。まるで凝り固まってい
た身体が息を吹き返しほどけていくように、深く、軽く、のびやかに。準備はできてるよー
と教えてくれる。
そうするとすべてが愛おしくて、秋になるといっぱい落ちてくる落ち葉の 1 枚 1 枚も、それ
をまたふかふかの土にしてくれる昆虫や微生物さんたちにも感謝の気持ちでいっぱいになる。
もちろん降り注ぐ太陽や雨、風たちにも。


そして最近は家の庭や近くの森で採れる(見分けられる) 野草やきのこの種類も増えてきた。
春になると庭には食べきれないほどのイワミツバが生えてくる。みんなに嫌われてる雑草の
ひとつだけどまだ野菜の少ない時期にたっぷり食べられるし、夏にはかわいらしい花を咲か
せてくれる。近くの森にはこれまた採り放題の行者にんにく。今年の秋はその森でおいしい
栗もいっぱい採れた。ドイツにはこんな言葉がある。“自然が私たちに与えるとき、それは
十分にある“ その通りだと思う。忙しくしているとその恩恵に気づけないけど、扉を開いて
みるとそこはパラダイスだ。

そんな自然との暮らしの中で心に余裕が出てくると、いろいろ実験をしてみたくなる。庭で
採れた果物で酵母を起こしてパンを焼いたり、大豆を炊いてお味噌を作ったり、キムチやザ
ワークラウトも。日本の梅は手に入らないけど、庭で採れたプルーンでおいしい梅干しなら
ぬプルーン干しも出来た。微生物たちの力を借りてぷくぷくとおいしくなっていく過程から、
食卓にあがって頂くまでそのすべてがわくわく楽しくて奇跡だなーと思う。


今こんな風にゆるりと自然とともに暮らせている日々は私にとってのごぼうび! こんな何
気ないしあわせがたくさんの人たちに伝染していくといいなぁ。
さて今日はどんな実験をしようかなぁ。

宮園 さや子

協会名日本ポラリティセラピーサポート協会|Japan Polarity Therapy Foundation
住所〒657-0011 兵庫県神戸市灘区鶴甲5丁目1−50 プラザ翠光205
電話番号080-3762-4042
営業時間9:00~18:00
代表者名早志享子(はやしきょうこ)
メールアドレスpolarityschoolofjapan@gmail.com