Dr. Randolph Stone’s Polarity Therapy : The Complete Collected Worksを読む(第6回)

Polarity Therapy : The Complete Collected Works

ヒーリングアートの新しいエネルギー概念の展望的視点(1)

人間の身体的な解剖学は、今日ほとんどすべてのヒーリングアートの基礎と出発点として受け入れられている。そのような概念は、身体のパターン(ひな型)を織り成し、生涯を通じて身体を活性化し続ける微細なエネルギー潮流ではなく、粗大な産物である物質に基づいている。今日の一般的な治療法は、その原理と応用において、原子的というより、むしろ甚だ物理的なものである。微細な力の線と、マインドのエネルギーパターンに従って、生理的機能を通じてエネルギーフィールドが作用するという考えは、まだ一般的には受け入れられていない。しかし、生理的、物質的なエネルギーが存在するより前に、精神的、ワイヤレスエネルギーが存在し、そうでなければそれを通して機能することはできないことを、私たちは皆知っている。

 これはまさにこの世界の生命の始まりであり、聖書にもそのように記されている。どんなものもより微細な「エッセンス」から、すべてが創造されたのだ。すべての種子は、それ自体が生命の単位であり、その種類に応じてそれぞれの種の中に精神的なパターン(ひな型)として閉じ込められている。ニワトリの卵はヒヨコになり、カメの卵はカメとして羽化するなどである。あらゆる生物の実際の生命サイクルは、男性の種からポジティブなエネルギーとして、また女性の種からネガティブなエネルギーとして放出されるエネルギーの力線の精神的なプロセスとして始まる。これが卵の中にある卵黄物質または中心である。

 人間の生命においても、このサイクルは、子供の誕生に先立って受胎時に男性と女性が結合することによって両極性のエネルギー原理として始まる。したがって、この世界への誕生が、母親の子宮の中の胚と呼ばれるこの生命の単位の始まりではない。そうではなく、誕生することは、一つの知的な存在として行動しそれ自身を表現すべき世界へと導かれる時の、この単位の完成したパターンなのである。

 この生命パターンは、男性の精子と女性の卵子の中心部である卵黄のゼリー状物質のエネルギー流によって始まり、杼の中の糸のように前進と後退を繰り返しながら、人間の身体と呼ばれる生命の最も素晴らしい織物を織り上げているのである!この身体の原型は、両親の性質と体躯に応じて、両親の精神的、活力的エネルギーから供給されたものだ。もちろん、先祖伝来のものはそれよりもずっと昔に遡るし、そしてもっと多くのことが関係しているが、これが一般的なルールである。

 しかし、この肉体に宿る魂は、別の領域から来た意識の単位であり、より微細なエッセンスである。そうでなければ、後に完全に成熟したときに、その単位を維持することはできないだろう。そして子供たちは、どの家庭においても、たとえ身体的なパターンが同じであっても、親とは違い、それぞれに異なっている。一つ一つの転生する魂や実体は、他とは異なる独自の人生のデザインを持って来る。

 私たちの生命そのものを支えている生物学的エネルギーカレント(潮流)の極性のエッセンスは、これまであまり注目されてこなかった。自然の万物に活力を与え、生命が頼る生き生きとした太陽のエネルギーは、すべての男性性活動の貯蔵庫として、生命の父なる原理である。それは酸素として自然の生き生きとした空気の中を流れ、それぞれの生命を自然のそれ自身の貯蔵庫に結びつける呼吸として流れている。これは自然界にある全ての種子に閉じ込められているエネルギーである。だから種子は、父なる太陽の暖かい光線、一般的には暖かさによって、その生命の息吹として眠りから覚まされるのである。

 風と暖かさは、創世記に記述された「楽園」の「エネルギーエッセンス」の1つの川から出る2つの川である。これらは、人間の家族における父と息子の原理である。これらの隠された、霊的なエネルギーエッセンスは、古代の哲学者たちによって「火」と「風」と呼ばれた。太陽は、太陽系の中心であり、自然界と人類における、外へ向かって行く、放射する、ポジティブなエネルギー源、すなわち「火」の原理である。

 月と地球のエネルギーエッセンスは、結実化する、自然界の女性性の原理だ。この2つの川は、人間の家族における母と娘の原理として描写されている。エジプト人たちの古代伝承では、これは「イシス」と表現され、聖書における「イブ」と同様に、すべての生きとし生けるものの母であるとされている。彼女は万物の実体であり、「母なる月」の子どもとして生み出された結晶化された地のような物質の「慈愛」と「お世話」の清らかな水の川である。そのため、私たちの地球と月は、かつて母と娘のようであったと言われている。

 創世記には、より微細なエッセンスの霧のような水分が与えられた時に、地球は植物を生み出したと記されている。この相互作用あるいは遊戯は、上の風と火、下の土と水の原理という、二つの二重の力の生命のゲームであり、それらが絶えず互いに流れ出し、互いに入り込んで、生命と呼ばれる機能を維持している。それは、引力と斥力の四つの川として機能している二つの宇宙的なエッセンスの内なる遊戯([inter-play]interplay(相互作用))としての生命のダンスである。これが生命の奮闘を構成している。私たちが意識してもしなくても、これは全く同じように続いているのであり、そうでなければ生命と呼ばれる現象は存在しないだろう。

 人間は、ゆりかごから墓場まで、自身の構造と自然を構成するまさにこれらのもののために奮闘する。赤ん坊は、外側の世界での循環を、息を求めるためのあえぎ声である泣き声で開始し、その後も生きている限り呼吸し続ける。また、地球上の存在である限り、暖かさも必要だ。これらは、すべての人間の中にある最初の2つの作用の川であり、それぞれの個人は、意識的であれ無意識的であれ、この地球上の生命を通して宇宙の貯蔵庫からこのエネルギーを引き寄せる努力を続けなければ生きてはいないのである。呼吸は生命である。

 また、人間には、食べ物や飲み物、つまり、地のようなはたらきをする、もしくは大自然の母なる物質も必要だ。これらは、そこから私たちがこの世界で生きるためにすべて引き寄せる、循環的な遊戯の中の、もう2つの川である。衣服と住居は、こうした生活の物質的な必要性に含まれる。

 私たちの外的な奮闘はすべてこれらの原成分に包含され、個々の生命の終わりには宇宙的な物質に還る。地は地に還り、(風としての)塵は塵に還り、火が燃え尽きて灰になると「灰は灰に」と還っていく。これが、地球上にいる間の、私たちの旅と健闘のサイクルである。すべての植物や動物の生命も同じプロセスをたどり、この世界に存在するためには、植物や動物も同じ4つのエネルギーの川が必要なのである。

協会名日本ポラリティセラピーサポート協会|Japan Polarity Therapy Foundation
住所〒657-0011 兵庫県神戸市灘区鶴甲5丁目1−50 プラザ翠光205
電話番号080-3762-4042
営業時間9:00~18:00
代表者名早志享子(はやしきょうこ)
メールアドレスpolarityschoolofjapan@gmail.com