エレメントって面白い

ポラリティセラピーは、人をエネルギーの流動体と捉えて心身の滞りを解いてゆくセラピーです。

創始者のDr.ストーンは、自然療法、オステオパシー、カイロプラクターでした。そのため、ポラリティセラピーには解剖学や生理学はもちろん、研究と臨床によって得た知見、アーユルヴェーダ、ヨーガ、クラニオセイクラルなど、東洋西洋の様々な学問や思想が盛り込まれています。

Dr.ストーンは、「健康とは単に目に見える病気が無いことではなく、幸福でポジティブな状態である」と提唱しています。

幸福でポジティブな状態であるには、自分自身が何に幸福を感じるのか、ポジティブな状態であった時に、それをどのように感じるのかを実体験として知ることが大切になってきます。

どうしてかわかりますか?

答えはいたってシンプル。

自分で体験した感覚は、再現可能だからです。

ポラリティセラピーの学びの楽しさは、すべてを自分で体験していく過程にあります。

実際のところ、ポラリティセラピーを学んだことで自分の人生に出逢いなおしたり、考えそのものがシフトして、生き方そのものに大きな変化があったという人は数えきれません。

この記事では、ポラリティセラピーの基礎部分になる「5つのエレメント」について、わかりやすく解説していきます。

ポラリティセラピーに興味がなくても読めるので、良かったら続きをどうぞ。

目次

エレメントとは

人間の身体と大自然を対称させながら、身体の自然な在り方を尊重していく。

これがポラリティセラピーの原理になります。とてもシンプルですね。

ポラリティセラピーの核になる部分が5つのエレメント(空・風・火・水・地)です。これはザ・体感!をみっちり体験できる、大人気の単元なんですよ。

空・風・火・水・地それぞれのエレメントはチャクラの概念と重なり合う部分がたくさんあるため、ヨーガやアーユルヴェーダを知ってらっしゃる方には馴染み深いものかもしれません。

5つのエレメントはそれぞれに特徴的なクオリティがあり、思考の癖、性格、ハマりやすい傾向、体の部位、星座などに対応する部分があります。

この記事でお伝えするのはほんのさわりの部分になります。
エレメントを学ぶと、自分自身のことがよ〜〜〜〜〜く見えてくるので面白いですよ。

5つのエレメントは誰もが生まれながらに持っているものです。が、性格が人それぞれなのと同じように、パッと見で特徴的なエレメントもそれぞれです。

そのような意味から、「◯◯のエレメントは豊かだけど、△△は少ない」というように表現していきます。

そう聞くと、「え! △△が少ないなんて! どうすれば?」なんて思ってしまいそうですが、どうぞご安心ください。

少ないエレメントは、ポラリティセラピーらしいユニークな方法で補うことができます。そして、補うだけじゃなく、欲しいエッセンスを持つエレメントを育てていくこともできるんです。

もともと持って生まれてきたものが全体の中でどのようなバランスにあるのかを見て、幸福でポジティブな状態を体感し、体現していく。

ポラリティセラピーが得意とするのは、まさにこの部分です。

では、5つのエレメントそれぞれの特徴を、簡単にお伝えしていくとしましょう。

 エレメント「空」の特徴

エレメント空は、空間(space)、時空(time)として表現され、「エネルギーはスペースがあってはじめて動くことができる」と考えます。また、「空」は、他の4つのエレメントが活動できる空間として存在します。

エレメント「空」は、表現するということにつながります。

人が何かを表現する時は、安心で安全な場が必要です。「今はこれを言っても大丈夫なんだな」「ここなら力を抜いてもOKだろう」という感覚、と聞くとわかりやすいかもしれません。

もしも安全では無い場所で、自由に表現することができないとしたらどうでしょう? 

例えば、育った家庭が気の向くまま話すことを良しとしない環境だった、と想像してみてください。

そのような場で育つ子供は、おそらく言いたいことを思うようには言えないまま大人になっていくでしょう。

進学や就職で社会に出て、いざ誰かと話したくてもグッと言葉を飲み込んでしまったり、いつも聞き役になって自分の話がうまくできなかったりする時は、このような体験が関係していることがあります。

5つのエレメントにおいて、「空」はエネルギーが最初に存在し始める場所です。とても微細で、ニュートラルで、オープンなクオリティです。

エレメント「空」が豊かであると、自分らしく、のびのびといられることにつながります。また、自由に屈託なく話すことを楽しめます。

空エレメントの司る感情は、大いなる喪失感にともなう深い哀しみ、大いなるものと一体となる喜びや祝福などです。

例えば、両親や配偶者との別れ、家族のように大切な存在だったペットの旅立ちがあった時などは、心が空っぽになったように感じることがあると思います。

また、瞑想をしている時、山登りをしていてふとした瞬間に、なんとも表現しがたい一体感のようなものを感じることがあります。

これらは「空」のクオリティです。その他にも、すべての物ごとは変化し続けるという在り方も「空」の大切な要素になります。

エレメント「空」を表す身体の場所は喉、関節腔、脊髄腔です。喉という場所は、自由な表現のゲートであり、関節は空間(スペース)があるからこそ滑らかに動きます。

ポラリティセラピーでは、身体の中心軸にも空間があるとし、そこを超音速で流れつづけるエナジーの束をウルトラソニックコアと呼び大切にしています。

エレメント「風」の特徴

エレメント「空」から「風」へと、エネルギーはしだいに密度を増していきます。しかしまだ目に見える形ではありません。

風は場所を越えてつながり、時には踊るように、遊ぶように動くというクオリティがあります。

人と人とのコミュニケーション、水平方向へ広がる人間関係も「風」と深い関係があります。

例えばインターネットやメールは、とても素早い「風」の表れです。ネットサーフィンが好きな方、キュレーションが上手な方は、「風」の要素をたくさんお持ちということになります。

また、思考も「風」の影響下にあります。「いつも何かを考えてる」「寝てても考えることが止められない」、なんて自覚がある方は、間違いなく「風」さんですね。

「風」を表す身体の位置は、胸、ハートの部分です。また、内臓では心臓、肺、腎臓に対応しています。そのほかに、肌、神経システム、免疫システムとも関わりが深いです。

古くから、胸やハートという場所は人間の中心となる大切な部分と考えられ、ソウル(魂)はハートに住むのだと信じられてきました。

「胸が痛む」という言葉がありますが、不思議なもので、実際にハートが傷つく思いをしている方は、疾患ではない痛みを胸のあたりに感じてらっしゃることがよくあります。

エレメント「風」が司る感情は、愛と悲しみです。これは、「空」とは異なるクオリティの悲しみです。

もう少し噛み砕いてお話ししますね。

愛のエネルギーは胸をじんわり温かくしてくれるものですが、悲しみに打ちひしがれた時はどうでしょう。これまでの人生の中で、針で突かれたような胸の痛みや、胸がふさがったような思いをしたことはありませんでしたか?

このような時は、「風」のエネルギーがすっかり止まっていたり、逆に過剰になっている状態といえます。

その他にも、「自分が感じているわけでもないのに、ただそばにいるだけで感覚がスッと伝わってくる」のも「風」のクオリティです。愛や悲しみの感覚が、とても素早く伝わってくるのです。

スマホを持つのが当たり前、コミュニケーションはSNSで。

ツールが進化したことで、現代社会は人間関係が複雑になる一方です。始終何かを考えている状態では、神経が過敏になるのも仕方ないのかもしれません。

情報の伝達速度やコミュニケーション。これもまた、「風」のクオリティなのです。

エレメント「火」の特徴

エレメント「空」「風」を経て「火」になると、エネルギーは目に見える形になります。

エレメント「火」は、物事を消化し、変化させ、浄化することに関係します。また、「私は私、あなたはあなた」といった、自他の境界線を生み出すのもこのエレメントです。

「火」は、内にあるものを外に向かって表現したり、何かを行動に移すときのエネルギーでもあります。

体に熱をもたらし温める性質があるので、いつも体が冷えている人は「火」のエネルギーがちょっぴり不足気味かもしれません。ちなみに、この場合は外側から温めるよりも、内側に火を灯すようなアプローチが効果的です。

「火」を表す身体の位置はみぞおち付近で、内臓では太陽神経叢( 横隔膜の真下、心臓の下の方から胃の裏側にかけて大きく広がっている神経細胞の集まりのこと)、消化器官や肝臓、胆嚢です。そのほか、太腿、額、目も火に属します。

「目は口ほどにものを言う」の例えにあるように、内側にあるものを目で表現していると考えるとわかりやすいかもしれません。

「火」が司る感情は怒りや情熱です。それらをうまく表現できずにいると、みぞおちや横隔膜が硬くなったり、肝臓に問題が現れたりします。

突然ですが、ここで質問です。

怒りを表現することに罪悪感はないですか? 

友達のためならクレームも厭わないのに、いざ自分のことになるとシュンと怒りがすぼんだり。

加えて、いつも胃のあたりがムカムカしてませんか?

これらの質問が当てはまるなら、あなたの「火」は不活性気味です。例えるならば、ぶすぶすと燻ってる状態。

「あんまり良いイメージじゃない」と嘆くことはありません。クオリティが柔らかな火になったらそれは解消されるんです。

怒りが笑いに転じたり、イライラ・プンプンが安らぎになったり、ドス黒い感情がふわっと明るさをもたらすものになったりするのですから、なんとも不思議な話です。

物ごとを変容させる力をもつのが「火」。

もしあなたが変容させたい何かをお持ちなら、「火」のクオリティを取り入れてみてはいかがでしょうか? きっと明確な変化を感じられると思いますよ。

エレメント「水」の特徴

「火」で目に見える形になったエネルギーは、「水」になると、ゆるやかに物質化していきます。

水は結合力のゆるい物質で、その中にあらゆるものを溶かしこめます。その特性上、「水」は流れ続け、受け入れることに関係しています。

「火」を男性性と例えるなら、「水」は女性性を表すエレメントです。母性であったり、時間をかけて育むというクオリティを持ちます。

「水」を表す身体の位置は、骨盤と腰で、内臓では生殖器と乳房、ホルモンやリンパです。

「水」が司る感情は、母性、慈しみ、対象のある愛情。また、頼ること、頼られること、執着などとも関係しています。

みずみずしい果実、生命豊かな海、子守唄の様な波のリズム、潮の満ち引きをつかさどる月。

これらに共通するイメージは、たっぷりとした豊かな水ではないでしょうか。

私達の体のほとんどが水で構成されているため、「水」が豊かな状態か、過剰になっていないかは、健康な体づくりの押さえどころと言えるでしょう。

また、体に滋養を与え、治癒していくのも水の力です。涙や汗がそうであるように、洗い流して浄化する働きをもつのも「水」の力です。

また、水は感情を移しとる性質があります。身近な人の感情をまるで自分のもののように感じたり、それこそが自分であるかのように錯覚することがたまにあるのですが、そのような時は自分自身の「水」を育むことで流れが変化していきます。

流されやすい、受け身、形を止めるのが難しい、というのも「水」のクオリティです。

エレメント「地」の特徴

5つのエレメントの最後は「地」です。ここでエネルギーは完全に物質化し、根を下ろします。

現実的な人のことをよく「地に足が着いた」と表現しますよね。どっしりした安定感や、どこに居ても落ち着いていて、周囲の人も思わず安心してしまうような雰囲気が「地」のクオリティです。

また、グラウンディングは「地」そのものです。

何かを形にして、残していく力も「地」の範疇です。組織、経済、家族、血族、風習、伝統といったものはなんらかの形で私たちに影響してくるものですが、これらは全て「地」に属しています。

「地」を表す身体の位置は、尾てい骨、会陰部、腰、膝、首で、骨格構造も含みます。四角くて、がっしりした体格は男女問わず「地」の要素を多く含んでいます。内臓は大腸で、五感のなかでは嗅覚が「地」にあたります。

肉体的、感情的痛みが慢性化している時は、「地」を表す身体の部位に溜め込んでいる状態といえます。えも言われぬ重圧感にじっと耐えてしまえるようなところがあります。

「地」が司る感情は、安心感、支えられているという保証された感覚、生き残れるかどうかの不安や恐怖です。今は逃げるのか、それとも戦うのかといった判断も「地」のエレメントと深い関わりがあります。こうしたことから、「地」は生存本能と関係深いことがわかりますね。

現実的に生きていくことや、お互いに助け合える健全なコミュニティに所属することは、安定した「地」を得るのに最適な行為といえます。

さて、ここまで5つのエレメントの特徴を順に紹介してきましたが、いかがでしたか?

5つのエレメントはそれぞれが関係しあっています。そしてひとつのエレメントの中には、5つ全ての要素が含まれています。こうきくとちょっとややこしく感じるかもしれませんが、要するに人は多面的な生き物で、どこを切り取ってもその人なりの味わいがあるということです。

ポラリティセラピーは、人をエネルギーの流動体と捉えて心身の滞りを解いてゆくセラピーです。

創始者のDr.ストーンは、「健康とは単に目に見える病気が無いことではなく、幸福でポジティブな状態である」と提唱しています。

あなたの健康を支えるのはあなた自身のエネルギーであり、5つのエレメントは、大自然と呼応するエネルギーのクオリティを表現してくれる要素なのです。

知れば知るほど、自分が、そして他人の理解が深まります。

理解の深まりは個々の個性を認めお互いを尊重することにつながります。エレメントを深く知ることは、この世の中の生きやすさとも関係があるように思います。

おすすめ本

ポラリティセラピーを知るのにおすすめな書籍があります。Amazonで購入できるので、ご興味がある方は手にとってみてください。

『ポラリティセラピー ヘルスビルディング 真の健康を手に入れるために』

また、ポラリティセラピーやクラニオセイクラルを学んでみたい方は、神戸にスクールがあります。

全国各地でワークショップを開催することもあります。最新のNEWSを見逃したくない方は、こちらからご登録ください(登録はお好きな時に解除できます)。

まとめ

最後までお読みくださりありがとうございます。

この記事では、ポラリティセラピーの基礎になる5つのエレメントの特徴についてご案内しました。

  • 誰しもが5つのエレメントを持っている
  • 5つのエレメントはそれぞれに影響しあい、多い、少ないがある
  • エレメントには特徴的なクオリティがある
  • 不調はエネルギーの滞りがニュートラルになることで解ける
  • 健康とは幸福でポジティブな状態

とてもユニークなポラリティーセラピー。もう少し深掘りしたい方は、この記事がおすすめです。

(Writer:えだ豆)

POLARITYTHERAPY SCHOOL OF JAPAN
神戸市六甲のヒーリングアートスクール。ストーン博士の生命への哲学をグローバルな視野から学びながら、ひらかれた柔軟な心と体を養う方法を会得し、人生を謳歌するセラピストとして生きていくことをサポートします。
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