ポラリティセラピーでは、
言葉によるコミュニケーションも、セッションの大切なひとつのパートとなります。
今回のゲイリー先生のトランスのクラスでは、
より安全に効果的にヒーリングが進むための、アドバンスのコミュニケーションについて学びました。
トランスとは、
一般的には、通常とは違う意識状態、変性意識状態などと言われます。
例えば、
ダンスや音楽の演奏などで、非常に集中している状態、
アスリートがゾーンにはいる状態、
日常的には、本や漫画や、子供が遊びに没頭している状態などのことを指します。
クラスでは、
ポラリティセラピーやクレニオセイクラルのセッション時に、
クライアントが起きているのか眠っているのか、
というような深くリラックスした状態をトランスと表現しています。
クライアントがこのような状態の時には、
プラクティショナーは細心の注意を払いながら言葉がけをしていきます。
良い言葉がけはクライアントのヒーリングプロセスを非常に助ける力を持っているからです。
クライアントのより深いヒーリングプロセスが発生してくために、
どのような言葉がけや聞き方ができるのか?
そのために必要なことは、
way to listening・・・「聴く」
クライアントの言葉からなにが大切なことなのか、good wordを見つける。
Hold・・・クライアントにとって大切なことを、ニュートラルにホールドする
ニュートラルにホールドすることで、
そのスタックした問題やクライアント自身のエネルギーが動くためのスペースが生まれ、
自分が考えつかなかったような新しい道筋が見えてくることがあります。
Story・・・空・風・火・水・地のエレメントが持つ自然の力、神話や言い伝えなどの物語の力を使う
自然や物語が持つイメージや良い言葉を創造的に用いて、
クライアントがより本質的なものとのつながりを取り戻し、
ヒーリングが促されることを手助けします。
クラスでは、これらのこと全てについて
ゲイリー先生がまずお手本となるデモを見せてくれ、
参加者同士で練習をしながら実践的に学んでいきました。
そして、
言葉によるコミュニケーションとボディワークによるデモンストレーションでは、
きょうこさんがクライアント役となって実際のやりとりが行われました。
クラス時のきょうこさんは、
「数日前に身体に合わない食べ物を食べて、嘔吐し、唇がやけどのようになり、ヒリヒリして痛みがある」状態で、
それに対してゲイリー先生は、
やけど=火、嘔吐=水、と聴き取って、こんなお話されました。
ゲイリー先生が住んでいるカリフォルニアでは、多くの山火事が起きること。
火事の後にはたくさんの雨が降って、新しい生命が芽吹くこと。
火と水と生命のサイクルの物語。
自然と同じように、身体でも同じことが起こりること。
このお話を聞いているうちにきょうこさんは、
矯正をしていた頃、
ワイヤーで口の中が切れてひどく痛かったことを思い出し、
それが今の自分の状態とつながって、
何かがストンと腑に落ちたと言います。
そして、身体に何か涼しいエネルギーが流れて、肩から下の身体がとても軽くなってきたそうです。
ゲイリー先生がきょうこさんの話を聴き、
その時に必要な言葉をかけ、
ヒーリングが行われている場をニュートラルに保持することで、
言葉によるコミュニケーションで、
きょうこさんのエネルギーを開くことを助けた瞬間です。
その後のボディワークでも、
生命の創造に欠かすことのできない「水」に関する様々なエピソードを話しながらセッションが進められました。
言葉のやり取りで、
クライアントの深い部分から何かが呼び覚まされる様子。
それが気づきとなって、ヒーリングが進む様子。
そしてボディワークによってプロセスがさらに進むようサポートすること。
ほんの10分ほどのデモンストレーションでしたが、
ゲイリー先生の一言一言が意味深く、
流れるように自然に進みながら、
そこには学ぶべき事柄がぎっしり詰まっていました。
参加者の一人が、
「今回学んだコミュニケーションは、
クライアントさんの言葉から、その奥にある大切なことを聴き取っていく。
ボディワークは、
クライアントさんの体に触れながら、そこにあるエネルギーを手で感じとっていく。
言葉でも、身体でも、同じことをしているのだと思った。」
という感想をシェアしてくれました。
身体でも、言葉でも、コミュニケーションをしながらそのクライアントさんの本質の響きを聴き取っていく。
そして、その響きがさらに美しく奏でられるようにホールドしていく。
このクラスでは、
セラピストとして求められるとても大切なことを、
また新しい形で見つけることができたように思います。
そして、改めてポラリティセラピーは素晴らしい!と心の底から思いました。
マインドを離れて、
心と身体とさらに深いところへ行って戻ってきたような
とても濃い2日間でした。
いつも本当に広く深く柔らかく安全なスペースの中で
私達に大切な教えをくださる
ゲイリー先生ときょうこさんに
あらためて、心からの感謝を・・・!
(レポ:須崎千文)